突然ですがこの夏、子どもに読書感想文を書かせるのに苦労した方はいらっしゃいますか?
実は私も、わが子に読書感想文を書かせるのに大変苦労しました…
元々本好きな文系長女とは違い、現在小5の国語苦手長男は、読書感想文が大の苦手!
そんな子を持つ私も、学校では生徒たちに読書感想文の書き方を教える国語科教師なんです。
分かっているのは、国語力を身につけさせるために読書感想文がどんなに大切かということ。
読書感想文の大切さが分かっているから、子どもたちに何とかこの夏課題を克服してほしい!
そんな思いを込めて
読書感想文にどこから手をつけたらいいか分からない
読書感想文が苦手だけど書けるようにしてあげたい
といった悩みを持つママたちへ
今回は、読書感想文の本選びから書き方までを分かりやすく解説します☆
なぜ読書感想文を書かなければいけないのか
みなさんはなぜ子どもたちが読書感想文を書かなければならないのかご存じでしょうか?
実は、読書感想文を書くことには、このようなメリットがあるのです!

読書感想文を書くメリット1 国語力が自然と身につく
国語力と呼ばれるものには、
- 考える力・感じる力・想像する力・表す力から成る言語を中心とした情報を処理・操作する領域
- 考える力や、表す力などを支え、その基盤となる「国語の知識」や「教養・価値観・感性等」の領域
があります。
読書感想文を書くことで
- 物語のあらすじをまとめ、筋道の通った文章に組み立てる力
- 登場人物の心情を感じ取ったり、感動する情緒力
- 経験していない事や現実には存在していない事などを推し量り、頭の中でそのイメージを自由に思い描く力
- 自分の考えや思いなどを具体的な発言や文章としてまとめる力
など様々な力を身につけることができます。
また、漢字や正しい文法の知識、語彙の広がりなど、国語の基礎知識も自然と身につくのが、読書感想文なのです!
読書感想文を書くメリット2 本とのつながりが深まる
もう1つ忘れてはいけないのが、本と深くつながるというメリットです。
本が好きでたくさん本を読んでいる子でも、1冊の本を掘り下げて深く考える機会は少ないはず。
子どもが、本の内容はもちろん、その本を読んだ時自分がどのように感じたのか、これからの生き方にどのように生かしていくのかまで考えられるようになるのは、読書感想文を書くという目的があるからこそなのです。
読書感想文の書き方
では、どのようにして読書感想文を書いていけばよいのでしょうか?
ここからは、自分の子どもに対する方法や学校での声かけを元に、読書感想文を書くための具体的な方法を、4つのステップに分けてご紹介します。
ステップ1 読書感想文が書きやすい本を選ぶ
まずはじめは、読書感想文の本選びをしましょう。
本選びは重要なポイント!
子どもが1人で選ぶ時は注意
一般的に読書感想文の本は、子どもの好きな本を選びましょうと言われます。
しかし、好きだけでなんとなく選んで、書く内容が思いつかず苦労している子が多いのも事実…
実はわが家の長男にも、自分で選んで買った本が、読んでみるとあまり面白くなくて、最後まで読み切ることができなかったという苦い経験が…
お子さんが1人で本を選べたという事実はすばらしいことです。
しかし、その本がお子さんにとって難易度高めだった可能性もあるんですよね。
そこでオススメの読書感想文の本の決め方は
- 子どもが興味のある(時間を使っている)分野の本
- 子どもと共通点がある登場人物が出てくる本
- 今までで印象に残った体験に似た体験が書かれた本
また、迷ったら課題図書から選ぶのがオススメです。
国語が得意な子はどんな本でも書けますが、国語が苦手な子は読書感想文が書きやすい本を選べるかがとっても大切!
この本にしなさいと押し付けるのではなく、子どもが興味を持ちそう&読書感想文として書きやすい本をそれとなくすすめてみましょう☆
ステップ2 選んだ本を読む
読書感想文の本が選べたら、本を読み進めていきましょう。
1日1章など、一気に読むのではなく、少しずつ区切って読む方が、国語が苦手な子には負担が少ないかなと思います。
読んだ後、どんな話だったかすぐに聞いてあげるのもオススメ!
言語化することで、頭が整理され、理解も深まります。
話を聞くときは、リアクション大きめで反応すると子どもは喜びますよ☆
その時は「なんで○○したの?」と内容を掘り下げながら聞いたり、「どう思ったの?」と自分の気持ちを引き出す声かけをしてあげてください。
国語ができる子は、自然とこの作業が1人でできてますが、国語苦手な子は一人ではなかなか作品や自分の気持ちを深堀りできないんです。
国語の授業における文章読解も、実はこの作業をしているんですよね。
毎日となると大変ですが、時々は本の内容を聞いてあげてみてください。
また、
- 気になった場面に付箋を貼る
- メモを取りながら読む
のもオススメです。
色々な方法を試してみてください☆

字が汚くてスミマセン…
ステップ3 はじめ・なか・おわりを考える
次に、ざっくりでいいので文章の構成を考えます。
- はじめ・その本を選んだ理由やきっかけ、読む前の印象など
- なか・本の簡単なあらすじ、印象に残った場面やセリフ、自分がどう感じたか、何を考えたか、関連する自分の体験など
- おわり・ 全体的な感想や意見、これからどのように行動していきたいか、今後の抱負など
国語が苦手な子は、1つ1つ工程を区切ってやるのがポイント!
- 今日は本を選んだきっかけを考えてまとめる
- 今日は気になった場面を3つまとめてみる
など、丁寧に1つ1つ掘り下げていきましょう。
例えば、料理をするにも、
つくるメニューを決める・買い物に行く・食材を選ぶ・食材を洗う・切る・焼く・煮る・盛り付ける
など様々な工程があります。
料理が得意な人・気分が乗っている時は、これらの工程はいっぺんにできますが、どうも気分が乗らない時は面倒くさいと思いませんか?
子どもたちだって一緒ですよね。
苦手なことは短く区切ってできるところまでやるのが鉄則です!
構成の段階では箇条書きでもよいですが、最後は文章にするイメージです。
ステップ4 文章にする
ステップ3までできていれば、文章にするのもかなり楽になっているはず!
主語述語が整っていればとりあえずOKです☆
お子さんなりの言葉で、文章にまとめていきましょう。
文章を書く際の細かい注意点は、また別の記事でご紹介したいと思います☆
自分の体験や思いをどう盛り込むかがポイント
読書感想文の主人公はあなた
最後に、読書感想文に関して、どうしてもお伝えしたいことが1つあります。
それは、読書感想文で光ってるな!と思う文章には、必ず書いた子のリアルな体験が作品と関連づけて盛り込まれているということ。
野球に関連する本では、実際に野球部でどのような活動をしてどのような気持ちになったのか。
同じ体験をした中で、主人公とどこが一緒でどこが違うのか。
物語の主人公が何をしてどう感じていたかをたどっていく中で、読書感想文を書いているあなたがどう感じたのか・物語とどう関係するのかが読書感想文ではとっても大切なのです。
そう! 読書感想文の主人公は、それを書いているあなた!
そのことをぜひ忘れずに、お子さんと楽しみながら読書感想文に取り組んでもらえるとうれしいです。
参考サイト
- 【小学生の読書感想文】 構成の順序をマスターしよう! 学年別のコツも紹介 マナビスタ
- 【小学校教諭監修】[教えて!読書感想文①]身につく力とオススメの3冊 こそだてまっぷ
- 「これからの時代に求められる国語力」文部科学省HP参照
国語が苦手な子に向けた、読書感想文の書き方についてでした☆

にほんブログ村