今回は、英語のコロケーションについてです。
子ども英語の時期にコロケーションについて知っていてもらいたいと思い投稿します。
- コロケーションって何?
なぜ子どもの英語学習でコロケーションを気にする必要があるの?
コロケーションを身に付ける方法とは?
などの疑問がある方へ☆
コロケーションとは?
コロケーションとは、2つの内容語(名詞 + 動詞 や 形容詞 + 副詞 など)から構成されるフレーズのことで、具体的には以下のパターンがあります。
動詞 + 名詞 | take medicine(薬を飲む) |
形容詞 + 名詞 | abject poverty(極貧) |
名詞 + 動詞 | accidents happen(事故が起きる) |
副詞 + 形容詞 | deeply grateful(深く感謝して) |
動詞 + 副詞 | think critically(批判的に考える) |
簡単に言うと
コロケーションとは、日本語で言う連語で単語同士の自然な組み合わせのこと
です。
ファーストフードのことを、英語では ”fast food” と言いますが、 ”quick food” とは言いません。
また、薬を飲むには『飲む』という言葉が入っていますが、 ”drink medicine” ではなく、”take medicine” となります。
このようにコロケーションは英語の定型表現の一つになります。
※似た表現で、イディオムというものがありますが、イディオムは語の結びつきが強く、一定の制限性がある点で2つを分けて考えるのが一般的です。
なぜこども英語でコロケーションなの?
では、なぜ今子ども英語でコロケーションの話が必要なのでしょうか?
コロケーション習得は難しい
まず一つ目に、コロケーション習得の難しさが挙げられます。
英語を第二外国語として学び、母語話者と変わらないほどの高い言語能力を身に付けた方たちでも、コロケーション習得に関しては母語話者と大きな開きがあったという研究結果があります。(アブラハムソンとヒルトンシュタムの研究)
- 単語の意味を知っているだけでは、正解の組み合わせが分からない
- ネイティブスピーカーの中でも、個人差や方言によって違いがある
などの理由で、コロケーションは英語学習者が苦手とするものの一つなのです。
なので、今のうちにこういった課題が後の英語学習にあるのだということを知っておいてもらいたいと思います。
子どもの方がコロケーションを覚えやすい
しかし、なぜ今からコロケーションを意識する必要があるのかと言うと、
子どもの方がコロケーションが身に付きやすいからなのです。
※参考文献2『英語学習は早いほど良いのか』バトラー後藤裕子
大人になってから個々のフレーズを一つずつ暗記していくよりも、子どもの頃に多読を通して文脈の中で自然と身に付けていく方が記憶に残りやすくなります。
それは、余計な知識がない状態の子どもの方が、感覚的に英語の文章を理解することが出来るからです。
例えば、”give and take” とは言うけど ”take and give ”は何かしっくりこない・・・
この感覚は、子どもの頃に ”give and take” という表現をたくさん聞いていて、その表現が感覚的に自分の中に取り入れられているからこそ分かることです。
大人目線で考えると、どちらも意味としては間違っていないのでこの感覚的に覚える点で子どもには敵わないのです。
また、 ”heavy rain” という表現がありますが、heavyに(重い)という意味があることを先に知っていると、その『重い』という意味に引っ張られて、この表現に逆に不自然な感覚を持ってしまうこともあります。
このように、たくさん英語の文章を読んだり聞いたりする中で、感覚的に自然と正しい表現を身に付けていける点が、子ども英語にコロケーションを意識してほしい理由の一つです。
英語をまとまりで覚える癖がつく
もう一つ、なぜ子どもの頃からコロケーションを意識してほしいかと言うと、英語の文章をかたまりで覚えていく癖がつくからです。
先ほどの例で言うと、”take medicine” を単語として別々に覚えるのではなく、子どもの内にセットで覚えてしまえば記憶にもしっかりと残っていきます。
子ども英語でのコロケーションの覚え方
では、どのようにしてコロケーションを子どものうちから身に付けていけばよいのでしょうか?
簡単な英語の文章を多読する
とにかく、子どものうちは英語で書かれた文章にたくさん触れることが大切です。
その際注意してほしいのが、簡単な文章から読み始めるという点です。
具体的に言うと、
文章全体の2パーセントしか知らない単語がない文章
が最適です。※参考文献1
知らない単語が多いと、精読になってしまい多読の効果とは異なってくるからです。
なので、もしお子さんが読む文章で知らない単語があり意味が分かりづらそうなら、迷わず辞書を引いて意味を教えてあげてください。
意味を覚えていくというよりも、正しい表現を身にけるという効果をコロケーション学習ではねらっているので、正しい日本語と英語はぜひセットで教えてあげてください☆
コア・ミーティングに注意して教える
お子さんに英語を教えてあげる時は、ぜひコア・ミーティングに注意してあげてください。
コア・ミーティングとは、多くの言葉に共通する中心的な意味のこと
です。
例えば、take には『自分の所に取り込む』というコア・ミーティングがあります。
※『Eゲイト英和辞典』ベネッセ
なので、”take medicine” の中には、『薬を自分の中に取り込む』というニュアンスが含まれます。
このコア・ミーティングを意識して英語に触れることで、様々なコロケーションの組み合わせが分かりやすくなるのです。
オススメ英語絵本
最後に、オススメの本を挙げさせていただきます。
こども英語のご参考になればうれしいです☆
Go Away, Big Green Monster!
まず1冊目にオススメなのが、こちらの絵本になります。
”go away”は『あっちへ行け!』というコロケーションになります。
このように題名にコロケーションが入っているものを選ぶという方法が一番分かりやすいかなと思います。
お話や絵も可愛くて人気のある作品なので、一度ぜひ読んでみてください☆
マザーグース絵本
次にオススメなのが、マザーグースです。
マザーグースとは、英語圏の人々の間に伝わるわらべ歌や童謡のことです。
リズムよく色々なフレーズを身に付けられるので、聞き流しながら絵本での多読を無理なく続けられますね☆
最後に
今回はコロケーションというキーワードでお子さんの英語学習について考えてみました。
大人からの声かけや選ぶ本でお子さんのコロケーションに対する意識も変わってきます。
お子さんが英語絵本を楽しみながら、様々な表現を自然と身に付けてくれるとうれしいですね☆
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