子育てコラム

学校でボランティアをしよう!【体験談】学校図書館ボランティアとは

図書館のイメージ

今回は私が子どもの学校で行っている学校図書館ボランティアについての投稿です。

学校図書館ボランティアとは

まずは学校図書館ボランティアについての説明です。

学校図書館ボランティアは、読み聞かせ活動や図書館の環境づくり、図書の整理や貸出・返却等の支援を行います。 その活動の形は、ボランティアグループとしての活動、PTAとしての 活動、個人としての活動などさまざまですが、以下のような人々と共に学校図書館の充実に大きな力となっています。

学校図書館ボランティアハンドブック

つまり、学校図書館ボランティアとは

読み聞かせ

図書館の環境づくり

図書の整理や貸し出し返却支援

などを中心に、学校の図書館に関わる支援を行うボランティア活動のことです。

文部科学省「令和2年度学校図書館の現状に関する調査」によると、令和元年末現在ボランティアと連携している学校の割合は

小学校78.7% (平成27年81.4% 平成13年31.5%)

中学校27.9% (平成27年30.0% 平成13年11.5%)

高校2.5% (平成27年2.8% 平成13年2.5%)

となっています。

この調査から、小・中学校での学校図書館ボランティア活動が近年活発になっていることが分かります。

その背景には、子どもの読書離れが問題化されたことが挙げられます。

平成13年に「子どもの読書活動の推進に関する法律」が公布・施行され、翌年「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」が策定されました。

さらに、このような活動内容や計画が国から県、市町村へと広がりをみせたこともボランティア活動が活発になった大きな要因となっています。

そして

読み聞かせボランティアなどを積極的に取り入れる学校が増えた

「生きがい」としてのボランティア活動の広がり

などの学校・家庭・社会が一体となり、子どもたちの読書環境を充実させたいという多くの方たちの思いから、ボランティア活動が活発に進められるようになりました。

活動内容

本の整理

次に学校図書館ボランティアの活動内容についてです。

学校図書館ボランティアの活動内容は主に3つの活動に分かれています。

楽しく使いやすい環境づくり

具体的には

  • 図書館の飾りつけなどの掲示物の作成
  • 返し間違いや棚にきちんと収まらなかった本の整理整頓
  • 受け入れた本のデータ入力・ラベル貼り

などの、学校図書館の環境づくりに関する活動です。

他にも棚の本の入れ替えを頼まれることもあります。

飾りつけは季節ごとにつくられた飾りを、月終わりに剥がし、新しいものに張り替えています。

学校の入り口で紹介するための季節の本をいくつかピックアップする活動もあります。

本の修理・修繕

背表紙や本のページやぶれなどを修理・修繕する活動です。

私が行っている学校では、かごの中に破損した本を入れておいてもらい、活動日にまとめて修理しています。

私はまだ出来ませんが、本の表紙にブッカーといってカバーをかける作業をされている方もいます。

基本は業者に頼みますが、ボランティアで出来れば費用も浮くので、学校図書館ボランティアを続ける上で身に付けたい技術の一つです。

本の修理にセロハンテープを使わないで!

本の修理には特別なテープを使います。

セロハンテープでは劣化したとき剝がれてしまうので、借りてきた本が破れていても勝手に修理しないでそのまま返却しましょう!

※ 参考ページ 本の補修のしかた(平塚市図書館) 

読書の楽しさを伝える活動

読み聞かせ

読み聞かせやブックトークなどを通じて、本の楽しさを直接子どもたちに伝える活動です。

私は読み聞かせなどの活動は出来ていませんが、今後行っていきたい活動の一つです。

読み聞かせとブックトークの違い

  • 読み聞かせ →子どもの絵本や本を声に出してそのまま読みながら、本の内容を楽しむもの
  • ブックトーク →あるテーマにしたがって何冊かの本を順序だてて紹介するもの

※ 参考文献 「ブックトーク入門」 教育史料出版会

学校図書館ボランティアの効果

メリット

学校図書館ボランティアを受け入れることによって、学校にはどのような効果があるのでしょうか?

学校図書館環境の充実

本の修理・整理、飾りつけなどの活動により、学校図書館全体の環境が充実していくことが一つの効果として挙げられます。

整った学校図書館には人も自然と集まるので、子どもたちの読書活動の促進につながります。

地域の大人とのコミュニケーションの場となる

読み聞かせ等で地域の方たちが学校に入ってくれることにより、子どもたちは学校の先生たち以外の大人と接する機会が持てます。

それが、そのまま地域と子どもたちをつなぐコミュニケーションの場となり、大人が社会全体で子どもたちの教育に関わっていく場とります。

先生の長時間労働が軽減される

学校図書館ボランティアが入ることにより、学校図書館の業務が先生とボランティアで分担されることになるので、先生の負担が軽減されることも効果の一つに挙げられます。

学校図書館ボランティアの入り口

どうやって?

では、どのように学校図書館ボランティアは始められるのでしょうか?

主に3つの入り口があります。

学校からの募集

学校からボランティア募集のお知らせが子どもを通じて届くことがあります。

応募用紙に記入し直接参加する意思を伝えることで、学校図書館ボランティアをはじめることができます。

学校から直接依頼される場合は、やってもらいたい業務内容があらかじめはっきりしている場合が多いので、見通しを持って安心して始められます。

また、学校から「地域人材バンク」などに協力を依頼し、ボランティア活動に参加してもらう人々を探すこともあります。

このような「地域人材バンク」に登録することで依頼が届くので、急ぎではない場合はあらかじめ登録しておいてもよいと思います。

地域(市町村)からの募集

市町村発行の広報・ホームページなどでボランティア活動が募集されることもあります。

この場合は、子どもの親だけでなく地域の様々な年代の方々の参加協力が期待されています。

学校からの募集がなければ、市町村の広報・ホームページを確認してみてください。

保護者からの募集

ボランティア活動に積極的な地域では、お母さん方のグループが作られ一緒に活動してくれる方を募集されています

読み聞かせやパネルシアターなどをグループ単位でされている地域も多いので、お知らせ等で募集があれば参加してみてください。

組織として活動出来るので、分からないことも聞きやすく楽しく活動が進められると思います。

活動を始める前に確認しておきたいこと

チェックすること

活動内容を決める

学校がどのような活動をしてほしいと考えているのかを事前に確認し、自分もどのような活動をしていきたいのかを伝えておきます。

一方通行にならないように、平等な立場で学校と一緒に活動内容を決めていきます。

私は読み聞かせ等は今のところしないという要望を伝えていました。

学校側でやってほしい内容と合わなければ活動が続けにくくなるので、しっかりとお互いの要望は伝えておいた方がよいと思います。

時間・場所を決める

事前に時間・曜日・場所を決めておきます

読み聞かせを行う場合は、どの時間で行うか学校と事前に確認しておきます。

他の学校図書館ボランティアの方は、朝の一斉読書の時間で読み聞かせを行われています。

図書館整備の場合は学校図書館での活動になります。

有償か無償かを決める

ボランティアの場合無償と考えている方も多いと思いますが、交通費や活動する上で必要になる経費等をどのように学校側と割り振るのかは事前に確認しておきます。

組織で活動される場合は決まっている場合が多いですが、個人の場合は交通費等について長く活動を続けていくためにきちんと学校側と話し合っておいてください。

※参考文献 「学校図書館ボランティア」対崎奈美子 全国学校図書館協議会

学校図書館ボランティアの課題

デメリット

このように、学校図書館ボランティアの活動が積極的に進められるようになっていく一方、多くの課題があることもわかってきました。

文部科学省 「これからの学校図書館の活用の在り方等について【論点例】」

の中で、具体的にいくつか挙げられているものを紹介します。

ボランティアと司書教諭、学校司書との関係について

現在学校図書と関わりのある立場として、図書館司書教諭・図書館司書・学校図書館ボランティアの3者が挙げられます。

活動内容をどのように分担していくのかはっきりとした決まりがないことが課題の一つに挙げられています。

どちらが主導するのか、何を分担するのかは、もちろんボランティアの数や図書館司書配置の有無によっても変わってきます。

積極的に活動を取り入れている地域では、ボランティアに向けてハンドブックを作ったり、活動報告会を定期的に行うことでスムーズなボランティア活動が進んでいるようです。

しかし、全国一律のものではなく、学校・地域ごとに格差があるのが現状です。

ボランティアの教育について

学校図書館ボランティアの質・教育についての課題もあります。

ボランティアはどなたでも出来ますが、専門的な技術や知識が必要な業務もあります。

時に専門性を求められる学校図書館ボランティアですが、はっきりとした研修制度等が無いのが現状です。

専門的でないボランティアが入り込みすぎることにより、逆に課題が増えてしまったという報告もあるそうです。

私も何も研修を受けずにはじめており、分からないことは以前担当されたボランティアの方に個別でお聞きしています。

初めから色々な業務の専門的な知識や技術があれば出来ることも増えるので、もったいないなという印象があります。

図書館司書の配置の遅れ

 文部科学省の 令和2年度「学校図書館の現状に関する調査」の結果について(令和3年7月29日)

によると

「学校司書」を配置している学校の割合は、小・中・高等学校でそれぞれ68.8%、64.1%、63.0%であり、小・中学校は前回より増加した

とあります。

配置が進んでいるこのタイミングで、無償の学校図書館ボランティアが多くの業務を行ってしまうと、司書の必要性が無くなり配置が遅れてしまうのではないかという指摘もあります。

参考にしたいウェブサイト

学校図書館ボランティアお役立ち情報 横須賀市PTA協議会 

こちらのサイトでは、学校図書館ボランティア募集の工夫や読み聞かせにオススメの絵本などが紹介されています。

「お悩みQ&A」のコーナーでは実際にボランティア活動をされている方の悩みと答えが分かりやすく載っています。

学校図書館ボランティアハンドブック 神奈川県

学校図書館ボランティアの役割やマナー、活動例などが一冊の冊子にまとめられており、ダウンロードできるようになっています。

学校図書館ボランティアハンドブック

最後に

今回は学校図書館ボランティアについてご紹介しました。

このような活動自体をあまり知らなかった方がいれば、たくさんの方たちの力で子どもたちの読書環境が守られていることを知っていただきたいと思い投稿しました。

私も今はまだ子育てが一段落ついているわけではないので、週1回1~2時間程度の活動です。

それでも、学校図書館が明るくなり、少しずつ人の出入りも増えていることは感じています。

自分の選んだ本が借りられている時や、棚の整理をした際にキレイになったと子どもたちが喜んでくれた時は、素直にうれしいですしやりがいも感じます。

子どもの読書離れを感じて不安に思っておられる方がいれば、まず子どもに関わる読書環境全体を整えるという視点を持っていただき、出来るところから一緒に始めましょう!

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