【正解のない問題を考える道徳絵本】現役国語科教師が選ぶオススメ10選と具体的な声かけのコツもまとめました!
今回は、正解のない問題を考えるきっかけとなる絵本をご紹介します。
国語力を考える上で、避けて通れないのが、自分の意見を持ち、人に伝える力です。
国語では、筆者の考えを読み取った上で、自分の考えを書かなければならない問題が出題されることがあります。
また授業の中でも、意見文を書く機会があり、自分の気持ちを言葉にする活動は、きちんと評価対象にもなっているんです。
そこで、今回はお子さんが正解のない問題に自分なりの答えを見つける練習にオススメの絵本をご紹介します。
親子で楽しみながら対話を深めていけるといいですね☆

具体的な声かけのコツもまとめました!
私のせいじゃない
いじめをテーマにしたこちらの絵本。
直接的な答えが描かれていないところがポイントです。
いじめって周りで見ているだけなら、自分の責任ではないのでしょうか?
親子で一緒に考えたい大きなテーマです。
こちらの絵本では、正論を一方的に教えるのではなく、子どもの正直な気持ちを引き出す声かけをしてみてください。
お子さんの「自分も傍観者になってしまうかも。」という不安な気持ちも受け入れてあげたいですね。
また、「自分がこのクラスにいたらどうしてると思う?」と、具体的に自分がどう行動するかを想像させてみる声かけもオススメです。
「助ける」が理想ですが、「見ているだけになるかもしれない」というリアルな感情も1つの答えなのです。
みえるとかみえないとか
目が2つしかない地球人は、目が3つある宇宙人にとっては、不便で可哀想な人たちです。
自分にとっての「普通」は、他の人にとっての「普通」と同じなのでしょうか?
ヨシタケシンスケさんらしい、深い哲学的な問いが見え隠れするすてきな絵本です。
おおきな木
少年にすべてを与え続ける木と、木からたくさんのものを受け取り続ける少年のお話です。
「大きな木」は私たちに、本当の幸せとは何か・本当の愛とは何かを教えてくれます。
読む年代によって全く違う答えが見えてくるのもおもしろいんです。
親子で幸せや愛について考えるきっかけに、ぜひオススメしたい絵本です☆
この絵本では「幸せとは何か」という問いについて親子で考えを深めてみましょう。
「可哀想。」「これで良かった。」など、子どもの発達段階やその時の心理状態で答えは大きく変わると思います。
親の意見も挟みつつ、お子さん自身の「幸せの定義」を見つけられるといいですね。
また、「もし〇〇ちゃんがこの男の子だったら、木に何をあげる?」といった質問もオススメです。
他者への思いやりや、自分が相手にしてあげたいことを言葉にするきっかけになります。
へいわとせんそう
平和な町と戦争の町。
こちらの絵本では、なぜ戦争が起きるのか・敵と味方の違いとは何なのかという、簡単には答えの出ない大きなテーマをあつかっています。
谷川俊太郎さんの深いメッセージを、親子でぜひ感じ取ってください。
いのちをいただく
食肉加工センターで働く人の葛藤を通して、命について考させられるこちらの絵本。
他の命を奪って生きるとはどういうことかという、人が生きていく上で避けられない問いを私たちに投げかけてくれます。
日々の食事とつながっているテーマなので、お子さんとぜひ一緒に考えてみてください。
ウエズレーの国
みんなと同じ格好をしたくないウエズレーは、みんなが好きなコーラやサッカーも大嫌い。
そんな周りの子と馴染めないウエズレーが、庭で自分だけの「新しい文明」を創り出すお話です。
子どもの頃のワクワクした気持ちを思い出させてくれるだけでなく、ウエズレーの生き方を通して、自分らしさを貫くとはどういうことかを考えさせられます。
お子さん自身の自分らしさを考えるきっかけになるといいですね☆
ぼくは川のように話す
吃音を持つ少年の視点で描かれたこちらの絵本。
ことばがスラスラ出てこないことは悪いことなのでしょうか?
吃音をもつカナダの詩人、ジョーダン・スコットさんの実体験から生まれたこちらの絵本は、実体験に基づいているだけあって言葉に重みがあるんですよね。
ありのままの自分を受け入れて生きるとはどういうことかを、私たちに静かに問いかけてくれます。
りんごかもしれない
目の前に置いてあるりんごを「本当はりんごじゃないかもしれない」と疑い続ける男の子のお話です。
先ほどご紹介したヨシタケシンスケさんの代表作ですよね。
こちらの絵本は、「ものごとを決めつけず、別の角度から見る面白さ」を私たちに伝えてくれます。
答えのない問題に直面した時の思考の広げ方のご参考にぜひ☆
目の前にあるコップやえんぴつなどを示して、「何だと思う?」と問いかけてみましょう。
絵本の世界だけでなく、現実の世界に目を向けて発想を広げていくと新しいものの見方が広がります。
また、「このりんご、もしお母さん(お父さん)だったらどうなる?」といった発問もオススメです。
絵本に出てくるものを身近な人に置き換えることで、視点を変える練習になるんです。
「怒ると赤くなるから本当はお母さんかも!」など、ユーモアを交えて楽しめるといいですね☆
100万回生きたねこ
何度死んでも泣かなかったネコが、はじめて愛する存在を見つけました。
「大きな木」と同じく愛するということについて深く考えさせられます。
長く生きることと誰かを愛して死ぬこととどちらが幸せなのか、といった問いを親子で考えてみるきっかけにするのもいいですね。
アライバル
移民をテーマにしたこちらの絵本は、大人も深く考えさせられると評判です。
言葉が通じない異国の不安や情景を絵だけで読み解いていくので、「どう解釈するか」そのものが正解のない問いになります。
移民の方々には、過去の自分を捨てなければならない辛さもありますが、新しい人生を歩むチャンスを手にした幸せどちらもあるんですよね。
子どもたちの身近ではない「移民」という視点から対話を広げていけるオススメ絵本です。
親子で対話を深めるコツ
最後に、親子で対話を深めるコツをご紹介します。
絵本をただ読むだけで終わらせず、色々な角度から読みを広げていけるといいですね☆
「なぜ?」ではなく「どう思った?」からはじめよう!
お子さんに声かけをする時に、よくありがちなのが「なぜ?」という理由をはじめに考えさせてしまうこと。
この声かけを中心にはじめてしまうと、子どもも理由を探すために、どうしても「正解」を探してしまうんですよね。
しかも、理由を言語化するのって、実はとっても難しいんです!
まずは、「どう考えたのか」や「どう感じたのか」といった気持ちを聞く質問を投げかけてあげてください。
国語の授業でも、必ずはじめに文章を読んで「どう思ったのか」を問いかけます。
授業での対話を深めるなかで、またこの時感じた思いも変わっていくんですよね。。
色々な感想をお子さんから引き出せる対話が深まりますね☆
親の意見は「1つの答え」として言うにとどめる
「お母さんはこう感じたよ」と子どもと意見を交換するのはとっても大切なことです。
しかし、お子さんが小さいうちに、正解のない問題についての答えを1つに縛ってしまうのはもったいないですよね。
お母さん(お父さん)の意見は、あくまでも「1つの答え」として伝えるだけにとどめておきましょう。
私も気をつけています!
対話の内容を書きとめておく
こうした答えのない問いに対しての子どもたちの答えって、ユニークなものが多いんですよね。
面白い答えやその時のお子さんの気持ちを記録するという意味でも、対話の簡単な内容を記録しておくのがオススメです。
数年後に読み返した時、子どもの心の成長を鮮やかに感じられる言葉をぜひ残しておきましょう☆
最後に
今回は、正解のない問題を親子で楽しみたい時にオススメの絵本をご紹介しました。
正解のない絵本というのは、深く考えたり、考え方を広げるためのすてきな教材になるんです。
子どもたちが社会に出ると、周りは答えの出せない問題ばかり!
今の内から、色々な答えを見つけられるといいですね☆

絵本のご紹介記事でした!


